事例

業務データの活用から、現場起点の変革へつなぐ

電気・ガス
サービス
エネルギー・金属
  • クライアント : アストモスエネルギー株式会社 様

アストモスエネルギー株式会社: https://www.astomos.jp/

世界最大級のLPガス輸送量を誇るアストモスエネルギー株式会社(以下、アストモスエネルギー)。LPガスは、全国約5,000万世帯のうち半数が利用する、国民生活を支えるエネルギーのひとつです。他の化石燃料に比べてCO₂排出量が少なく、環境にやさしい“クリーンエネルギー”としても注目されています。
同社はLPガスの輸入元売事業を中核に据えながら、国内物流やグループ会社による小売事業など、サプライチェーン全体にわたって事業を展開。そして今回、さらなる企業成長と業務高度化に向けて踏み出したのが、「データ統合基盤の構築プロジェクト」です。
本プロジェクトにおいて、インダストリー・ワン(以下、IO)は、データ統合基盤の構築に加え、データ分析やデータメンテナンス業務の内製化に向けた支援を担当しました。
取り組みの詳細について、アストモスエネルギー デジタル戦略室の内山副室長、齋藤マネジャーにお話を伺いました。

左よりIO伊藤、目黒、アストモスエネルギー齋藤様、内山様、IO豊田


―――プロジェクトの立ち上げ背景についてお聞かせください。

私たちが所属している「デジタル戦略室」は、2024年4月に設立された新しい組織です。戦略の中核となるテーマの一つが、社内に蓄積されたデータの活用でした。当社はLPガスの流通を川上から川下まで一貫して担っており、膨大な事業データを保有しています。しかし、その多くは各事業部で縦割り的に管理されているため、全社視点でのデータ活用には限界がありました。このような課題意識から、「どうすればデータをうまく活用できるのか」を検討し始めたことが、今回のプロジェクトのスタートです。

―――データ統合基盤構築の目的を詳しく教えてください。

業務の効率化と高度化です。効率化の面で言うと、現在は各業務の担当者が手作業でオリジナルのExcelファイル等でデータを集計し、それを部署間でやり取りするという個別最適になっている可能性のある運用が続いています。こうした作業を自動化・効率化することで新規事業・施策の検討やお取引先との関係強化など、より価値の高い活動に時間を充てられるようになります。
また、これまでの手作業では見えにくかった情報も、可視化されると想定しています。業務の合理化と高度化を同時に実現することで、最終的にはお客様に提供できる価値の向上にもつながると考えています。

―――構築だけでなく、内製化も大きなテーマだったと伺っています。

私たちは、今回の取り組みを単なるシステム導入で終わらせたくないと考えていました。というのも、何かトラブルが発生した時や新たな取り組みを進めていくような場面で、すべてを外部ベンダーに頼るのではなく、自社で対応できる体制を整えておく必要があると感じていたからです。
データ分析やメンテナンスの方法を習得することで、システムに対する本質的な理解が深まり、課題の発見や改善提案も自然と社内から生まれやすくなります。全社データを統合することを目的としているため、自ずと業務領域が広がります。その都度外部に依頼するのではなく、それぞれの現場で「この業務も改善できるのでは」と気づいた社員が、自ら手を動かして改善に取り組めることが理想です。

今回導入したデータ基盤は拡張性が高く、現場主導で柔軟に機能追加が可能な設計になっています。こうした自走できる体制を構築するために、IOには「現場で使える」「自分たちで作れる」ことを重視した基盤づくりをお願いしました。

―――改めて、IOをパートナーに選んだ理由をお聞かせください。

IOを起用した理由は、データ統合基盤の構築において豊富な実績があったからです。加えて、私たちにとって決定的だったのが「内製化支援」に対する姿勢でした。
複数の企業とお話しする中で、当社が内製化し、自走できることを前提とした支援にまで踏み込んで提案してくれたのは、IOだけでした。単なるシステム導入にとどまらず、私たちの体制づくりまで一緒に考えてくれる姿勢に、大きな信頼を感じました。

―――実際の支援はいかがでしたか。

構築支援において特に印象的だったのは、当初ご提案いただいていたシステム構成から、当社の環境や要件により適した構成への切り替えを、柔軟かつスピーディに対応していただけた点です。
また、内製化に向けたレクチャーについても、かなり手厚くサポートいただきました。約2ヵ月にわたり、毎週3時間の定例会に加え、毎日30分のフォローアップミーティングを実施していただきました。私たちの理解度や進捗状況に合わせて、丁寧に対応してくださったおかげで、システム構築の経験がなかったメンバーも、実務レベルで使えるシステムを自ら作り上げるまでに成長することができました。

―――2ヵ月という短い期間で習得されたのは、貴社の学習意欲があってこそだと思います!最後に、今後の展望についてお聞かせください。

現在は、会計や予実管理といったバックオフィス系業務を対象に、データベースを活用した効率的な集計・分析の仕組みを整備している段階です。
将来的には、グループ会社である小売や物流といった事業領域にもデータ統合の取り組みを拡大し、それらの基盤を活かしてお客様向けの新たなサービス開発にもつなげていきたいと考えています。
個人的な展望としては、データサイエンスやAIを活用した需要予測や営業支援といった分野にも挑戦し、データドリブンな意思決定を全社に広げていきたいです。社内外の関係者と連携しながら、新たな価値を創出できる取り組みを積極的に進めていくつもりです。
今後は、他の基幹システムとの連携や応用展開も視野に入れながら、引き続きIOと一緒に取り組みを進化させていきたいと考えています。

―――貴社の更なる発展に向けて、IOが支援いたします。ありがとうございました!



他の事例を見る