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AIを活用した需要予測で在庫削減に取り組む!

小売・流通
製造
モビリティ・物流
  • クライアント : 三菱食品株式会社 様
  • 課題 : 商品の入れ替えが激しいCVS向け商品の発注業務の高度化
  • 施策 : AIを活用した需要予測・発注自動化
  • 効果 : トライアルで最大4割、平均3割の在庫削減(試算)
  • 社外インタビュー:三菱食品株式会社 様

三菱食品株式会社:https://www.mitsubishi-shokuhin.com/

「食のビジネスを通じて持続可能な社会の実現に貢献する」というパーパスをかかげる三菱食品。食品メーカー、卸、小売をデータでつなぎ、食品流通業界全体の課題解決に取り組んでいます。インダストリー・ワン(以下「IO」)は、本プロジェクトのサービス開発をリード。取り組みの詳細について、三菱食品デジタル戦略本部/CVS(コンビニエンスストア)本部 山路GM(グループマネージャー)・ 山池GMに伺いました。 

左から山路GM・山池GM・IO村尾

ーーー今回の取り組みの背景をお聞かせください。

三菱食品では、物流倉庫におけるコンビニエンスストア向けの出荷量を予測し、各メーカーに適時・適切な商品を発注する事で必要十分な在庫を日本全国に確保し、店舗からの毎日の注文に応えられるよう在庫管理を行っています。欠品を防ぎ、同時に食品廃棄を最低限におさえるためには、最適な需要予測が肝です。 
しかし、過去に利用していたシステムでは統計手法による需要予測を行っていたため、予測精度の向上には限界を感じており、特に新商品の需要予測は非常に困難であった為、課題を感じていました。また、どれだけ優れたAIでも100%需要を当てることはできないだろうという前提から、AIに任せる範囲と、担当者に任せる範囲を定め、効率的かつ効果的な運用を行う事も重要なポイントであると考えていました。 

ーーー具体的な取組内容をお聞かせください。 

 

AI(機械学習)技術と各担当者の経験・ノウハウを掛け合わせることで取扱商品の需要予測を実現し、業務効率化・業務精度の向上に向けた検討を開始しました。具体的には、AIに過去の出荷実績データや商品属性情報を学習させ、需要予測モデルを構築し、その予測精度を検証しました。 
その結果、需要予測が困難と考えていた新商品に対しては、欠品率を維持しつつ最大4割、平均3割の在庫削減が可能という試算ができました。

ーーー今回IOは、本プロジェクトのマネジメントをご支援いたしました。IOが関わることで、どのようにプラスに働いたと感じますか? 

 

本プロジェクトは複数のパートナー会社の協力を得て推進するマルチベンダープロジェクトでしたが、IOに開発プロジェクト全体をリードしていただき、プロジェクト推進には不可欠な存在であったと振り返っています。また、「作ったら終わり」ではなく、その後の運用改善にも尽力いただいており、ユーザーからの信頼をいかにして勝ち得るかという目的に向けて、我々と二人三脚でシステム・業務改善に向けて伴走いただいています。先ほどの例では予測精度の向上という対応策を挙げましたが、各課題に対しては予測精度向上以外にも、安全在庫パラメータの見直しや発注業務の見直しという様々な選択肢が存在するケースが多く、その中で最適な解決案を共に考えていただいている、頼れるパートナー的存在です。  

本プロジェクトの関係図

 

日本では、年間1兆円ともいわれる食品ロスが発生しており、その削減は食品流通業界にとって至上命題です。従来の欠品防止に重点を置く体制に加えて、食品ロスを極力最小化する為の最適な商品供給体制の確立を目指す必要があると考えます。 
本課題は当社固有課題ではなく、食品流通業界全体の課題でもある事から、サプライチェーン全体での最適化が不可欠だと考えています。三菱食品では、「食のビジネスを通じた持続可能な社会の実現に向けて」、今後も各ステークホルダーの皆様との連携を通じて、食品流通業界をより良くしていく活動を積み重ねていきたいと考えており、本DXプロジェクトもその活動の一環という位置づけです。 

ーーー業界全体のデジタルトランスフォーメーションですね。今後もIOがご支援いたします。
   ありがとうございました! 


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